確定拠出年金と個人向け資産形成制度の比較

1 他の個人向け資産形成制度の
仕組みと特徴を見てみよう!

税制優遇がある個人向け資産形成制度には、確定拠出年金の他にも、NISA、財形貯蓄、個人年金保険、国民年金基金(自営業者のみ)等があり、制度ごとに仕組みが異なります。ここでは各制度のメリット・デメリットをご紹介します。

NISA(少額投資非課税制度)

制度概要

平成26年から始まった制度で、株や投資信託にかかる値上がり益や配当金(分配金)が最長5年間非課税となります。毎年120万円ずつ合計600万円までが非課税の対象です。制度の継続期間は平成35年までとなります。
非課税のメリットが受けられるのは最長5年間となるので、比較的短期での資産形成(車の購入や結婚、旅行等)を考えている人に適した制度となります。

メリット
  • 非課税枠を使って投資した株や投資信託の値上がり益や配当金(分配金)が、期間中にいくらになっても全額非課税になる。
  • 自分で運用する商品を決めることができる。
デメリット
  • NISA口座で発生した損失は、NISA以外の投資と損益を合わせて計算する損益通算や、翌年への繰越しができない。
  • 一度投資したものを売却してしまうと、その非課税枠を再利用できない。

NISAで非課税となる期間は5年間なのね。

財形年金貯蓄

制度概要

給与から任意で指定した一定額を天引きして、老後の資産形成のために積み立てができる制度です。制度を導入している企業の55歳未満の勤労者であれば利用でき、5年以上積み立てを行うと預貯金であれば550万円まで(「財形住宅貯蓄」と合わせて)、保険であれば払込額385万円まで、その利息などが非課税となります。
税制優遇がある財形としては、住宅取得を目的とした財形住宅貯蓄、老後の資金作りを目的とした長期の財形年金貯蓄があります。
(車の購入や結婚、旅行など短期利用を目的とした一般財形貯蓄もありますが、税制優遇措置はありません。)

メリット
  • 給与天引きなので確実に老後資金を貯められる。
  • 積み立てた金額だけでなく、受け取る年金も非課税となる。
  • 財形持家融資制度を受けられるため、住宅購入やリフォーム時などに必要な住宅資金を低金利で借りることができる。
デメリット
  • 勤務先が制度を導入していなければ加入できない。
  • 退職すると原則として運用益に課税されるため、転職時などには注意が必要。
  • 老後の資金以外の目的で払い出しをしてしまうと、解約扱いとなり課税の対象になる。

転職した際、勤務先企業が制度を導入していないと加入できないのね。

個人年金保険

制度概要

老後生活に備えることを目的とした生命保険です。年金受取開始の年齢や受取期間を自分で選べ、公的年金だけでは足りない分を補うことで、豊かな老後生活をサポートします。様々な商品タイプがあるので、自分に合わせた保険を選ぶことができます。

メリット
  • 条件を満たすと、個人年金保険料控除として最大で所得税で4万円、住民税で2.8万円の所得控除が受けられる。
  • 年金の受取方法を選べるため、少なく長く受け取ることも、短期間で多く受け取ることもできる。
デメリット
  • 途中解約をすると元本割れを起こしてしまう可能性がある。
  • 受取額が運用によって変動する変額年金の場合も元本割れの可能性がある。
  • 年金を受け取るときは、雑所得となり課税される。

控除額には上限があるんだね。

国民年金基金

制度概要

自営業者等の第1号被保険者の方が、安定した老後生活を過ごすための国の制度です。20歳以上60歳未満の第1号被保険者、もしくは、国民年金に加入している60〜65歳未満の方が加入でき、国民年金に上乗せして将来の年金受取額を増やせます。少ない掛金から始められ、途中で変更することもできるため、ライフスタイルに合わせた給付パターンを考えることができます。

メリット
  • 国民年金基金の掛金は、全額が所得控除となる。
  • 年金を受給する場合も、公的年金等控除が受けられる。
デメリット
  • 物価の変動に対応していないため、物価が上昇してしまうともらえる年金の価値が実質下がってしまうインフレリスクがある。
  • 途中解約が自由にできないこともあり、始める前に長く続けるための検討が必要。

自営業者等の第1号被保険者の方が、安定した老後生活を過ごすための国の制度です。

2 他の個人向け資産形成制度と、
個人型確定拠出年金はどう違う?

個人型確定拠出年金と他の個人向け資産形成制度では、税制待遇や加入資格、金融商品の運用方法などが異なります。それぞれの制度の特徴を理解した上で、運用目的やライフプランに合った制度を選ぶことが大切です。

各制度の概要

※表がはみ出す場合は左右にスクロールできます

個人型
確定拠出年金
NISA 財形貯蓄 個人保険 国民年金基金
利用可能な人
(加入資格)
加入対象者ごとに上限金額が異なります。
詳しくはこちら
20歳以上55歳未満
(契約締結時)
保険会社によって異なる 20歳以上60歳未満の第1号被保険者、および60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入者
投資額の上限 年間120万円、
累計600万円
●預貯金
元利合計550万円まで非課税(財形住宅貯金と合算して)
●保険
385万円(超過分の運用益は課税)
特に上限なし
(保険会社によって制限あり)
年間81.6万円
(個人型確定拠出年金の掛金と合算して)
転職時の継続
転職先が導入していれば継続可

第1号被保険者でなくなった場合不可
払出制限 原則60歳到達時まで不可 なし 年金目的限定 保険会社によって異なる 65歳(給付形態によっては60歳)到達時まで不可

△ 場合により不可  ◯ 継続可

税制メリット

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個人型
確定拠出年金
NISA 財形貯蓄 個人保険 国民年金基金
拠出時 掛金全額が所得控除 優遇措置なし 優遇措置なし 個人年金保険料控除により、上限4万円の所得控除あり 掛金全額が所得控除
運用時 非課税 非課税(最長5年間) 元利合計550万円まで非課税
転職先が導入していれば継続可
非課税 非課税
払出時 課税
(ただし、年金受取は公的年金控除を、一時金受取は退職所得控除を適用可)
非課税 非課税 課税 課税
(ただし、公的年金等控除を適用可)

運用商品について

※表がはみ出す場合は左右にスクロールできます

個人型
確定拠出年金
NISA 財形貯蓄 個人保険 国民年金基金
運用商品 預貯金
保険
投資信託
上場株式
公募株式投資信託
預貯金
保険
投資信託
●変額年金
株式
債権
投資信託
●定額年金
投資信託(保険会社によって異なる)
選択不可
運用商品の預け替え(変更) × ×

〇 可  × 不可  △ 場合により可

3 制度の組み合わせで、
非課税制度を有効活用しよう

それぞれの制度を始める前に、「老後生活」や「家のリフォーム」などの利用目的をしっかり設定し、目的によって他の制度と重複するものであればどちらかを取捨選択する、またはメリットを漏れなく組み合せるなど、それぞれの制度をうまく使い分けるようにしましょう。

※表がはみ出す場合は左右にスクロールできます

短期 中期 長期
利用目的 車の購入
旅行
結婚
など
住宅購入
家のリフォーム
子供の学資
など
老後のための資産形成
活用したい非課税制度 一般財形貯蓄(税制優遇措置なし)
NISA
NISA
財形住宅貯蓄
確定拠出年金
個人年金保険
国民年金基金
財形年金貯蓄

このページのまとめ

確定拠出年金が他の制度と最も違う点は「老後資金専用」である点です。老後資金専用といえば、国民年金基金も同様ですが、国民年金基金は第1号被保険者(自営業)しか加入できず、確定拠出年金はすべての現役世代が加入できる制度になったことから、多くの人にとって老後資金形成の手段の有力な候補となるのは確定拠出年金となるでしょう。

税制優遇といえば、NISAも見逃せませんね。実際老後資金用に利用されている方も多いとのことですが、運用期間5年以内の投資に限って運用益非課税という特徴を考えるとむしろ老後ではなく住宅取得時の頭金作りなどを目的として活用される方が向いているかもしれません。

確定拠出年金の受け取りは60歳以降となるため、もし60歳以前に必要なお金が見込まれているのであれば、他の制度と組み合わせて資産形成をしていくことも必要です。
やはりお金の知識とプランニングが第一ということです。

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確定拠出年金制度の基盤を支えるレコードキーパーとして、制度改正やサービス向上に的確かつ積極的に対応し、年金制度の一翼を担う確定拠出年金の発展に貢献するとともに、お客様に対し満足度の高いサービスを提供してまいります。